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なぜ人は変われないのか? 臨床心理士の和尚さんが解説してくれた

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京都の亀岡にある宝泉寺では毎週火曜日と土曜日に法話があります。本堂にて修行者と常住さんが和尚さんを囲んでお話を聞く会です。

 

このお話は続き物になっているためいつも最後まで聞けません。あの続きはどうなるんだろうかと後ろ髪を引かれつつ下山していく人もいる宝泉寺の法話。

今回は2017年7月16日に行われた法話の内容をまとめます。以下、ぼくが聞いてメモした内容を再構成したものです。

和尚さんが話しているという体で書きますので、そのつもりで読んでください。

 

目次

修行に大切なのは「心構え」

「はい、ありがとうございます」

修行者のみなさんには注意されたら「はい、ありがとうございます」と言ってもらっています。これが心構えです。謙虚であれということです。

謙虚な心構えでいれば新しいものが入ってきます。素直に話を聞くことができます。自分は年上なのになんで年下から注意されねばならんのだ! という心は邪魔になります。どこまでも謙虚でいること。そうであれば今日入山した人からでも学ぶことができます。

 

うつ病がちょっとよくなった人の話

まえにうつ病がちょっとだけよくなって帰っていった人がいました。この人がそこ(本堂の前)の庭の落ち葉を掃いていたんですね。

ところが掃いても掃いても落ち葉が落ちてくる。そのときにその人は「落ち葉はいくら掃いても落ちてくるんだからきりがない」ということに気づいたんだそうです。

自分の問題を考えるヒントが庭の落ち葉掃きにあった。これはその人が「聞く耳」を持っていたから気づけたことです。聞く耳」を持っていさえすれば、本屋で目にする本のタイトルも道端に立っている看板も、なんでも教えになるというわけです。

 

ここは社会ではなく「お寺」

お寺に来たら「みな同じである」という意識をもってください。ここはみなさんのいる社会ではなくてお寺です。言うべきことがあれば年齢や経験、立場の上下に関わらず言ったほうがよい。

たまに年が上の修行者でしばらくいて慣れてくるとあれやこれやと注意したがる人がいますが、これはだめです。年が上の人に対してでもおかしいことはおかしいと言う。

なかには言われっぱなしになる人もいるでしょうが、それは「言えない弱さにつけこまれている」ということです。いうべきことは言いましょう。心構えはあくまで謙虚に。

人は変われるのか?

「変われるもの」と「変われないもの」

まず「変われるもの」と「変われないもの」があることを認識しましょう。変えられなければ受け入れるしかありません。横車を押すようなものだからがんばっても動きようがない。受け入れる勇気をもつことです。

 

変わらないのはなぜか

「変われるもの」であってもなかなか変わらないものです。なぜかというと、その人が「そういう生き方をしてきたから」です。

「依存症」というものがあります。お酒、買い物、ギャンブルなどいろんな依存症があります。よくない、やめたほうがいいと思っていてもやめられない。

その人にとってそれが「必要なシステム」だからです。無意識に勝ち取った生き方であると言ってもいい。たとえそれが「嫌だ」と思うようなものであってもです。

 

変えるならシステム全体を変える

変えたい習慣は生き方というシステムに組み込まれているので、そこだけを変えることはできません。変えるならシステム全体を変えなければならない。これはとても難しいことです。だから変えるのではなく「受け入れる」というのもひとつの方法です。

家族のなかに問題のある子供がいるとします。この子供を変えるには家族全体が変わる必要があります。子供は家族というシステムの一部だからです。子供を治すなら家族全体を治さなければならない。でもまずできない。家族には「自分たちも悪い」という意識がないからです。

 

システムと縁

一部は全体とつながって存在しています。システムは「縁」と言い換えられます。

いまみなさん(修行者)がここ(寺)にいるのは、みなさんの力ではありません。みなさんが切符を買って電車に乗ってきたからここにいるのではなく、みなさんの代わりに仕事をしてくれる人がいたりするからいられるわけです。これも「縁」です。

 

プラスとマイナスのバランス

変わりたくても変わらないのには他にも理由があります。その人のなかで「変わりたい」という思いと同じくらい「変わりたくない」という思いが存在しているのです。プラスとマイナスで思いのバランスがとれている。バランスがとれているから状態が安定しています。

もしこれが崩れたら、そのときに状態が動きます。これが変わるということです。人は変わっていくときにこそ変わっていく。自分一人でがんばっても変われません。

 

変わるために必要なこと

ではどうすれば変われるのか。変わっていく状況ができるのか。

まずやらなければならないことは、自分と向き合うことです。ここでどん底を経験することになります。どん底の経験が必要なのです。それを直視せず自分で自分をごまかしているうちは変われません。現状でもなんとかなるんじゃないかと思えてしまうからです。

大切なのは「困り果てること」。困り果てることでやっと「危機」を認識することができます。危機を迎えて人は変わっていくのです。

 

変わるための留意点

あせらない

自分に向き合っている人には次々と苦難が降りかかります。ゆえに向き合い続けることは難しい。

しかし、「内なる力」とでもいうべきものが働いてくれると続けられます。それまでできなくても、ある時期になると急にできるようになったりするのです。だからその時期が来るのを待ちましょう。

変わったということは「機が熟した」ということでもあります。機が熟さねば変わることはできません。

 

道草も必要

人生には無駄なことをしていると思われる時期があります。私(和尚さん)自身は浪人しましたし、留年もしました。でもこの一見無駄なことをしていると思われる時期にじつは深い意味があります。道草とは「意識されていない大切なもの」なのです。

 

あせる必要はないがあきらめてはいけない

劇的に変わる人と徐々に変わっていく人とがいます。私自身は徐々に変わるのは性に合わないので、あるときに劇的に変われたらいいなと思っていて実際そのとおりになりました。

自分がどっちのタイプなのか考えてみるとよいでしょう。個性にあった変わり方があります。

 

レジリエンスー折れない心ー

「レジリエンス」という言葉があります。「逆境力」と訳されています。

レジリエンスという概念が注目されるきっかけのひとつとなったのは、第2次世界対戦でホロコーストを経験した孤児たちの研究です。

過去のトラウマや不安によって生きる気力を失う人がいる一方で、トラウマを乗り越えて幸せな人生を歩む人もいました。この違いはなんだったのか。心が折れなかった人にはいくつかの共通点がありました。

  1. 楽観的であること
    どんな状況でも未来は明るく、努力すればよくなると考えられます。
     
  2. 自分には生きている価値があると思っていること(自尊感情)
    自分はだめだと思っていたらダメです。自分の思いは種のようなもの。よくない種からいい花は咲きません。as a man think 人間は考えたとおりになっていくということです。
     
  3. 自分が前に進んでる、成長していると感じていること(自己効力感)
    「自分ならできる」と思える気持ちを持つことです。困難な目標に向かっていく”筋力”とも言えます。
     
  4. 感情のコントロールができていること
    感情の起伏が激しいとエネルギーを消耗します。けん玉ができない人にできるようになるまでがんばってもらう実験がありまして、すぐに諦めてしまう人は見ているとわかります。一喜一憂している人です。感情を出しすぎているからエネルギーを消耗してしまうのです。

この話から考えると、おそるべきは藤井聡太。勝っても負けてもぜんぜん様子が変わらない。中学生とも思えないよね。

じゃ、今日はここまでにしましょう。

 

まとめ

  • 変わるためには現実を直視し、どん底を経験すること。
  • 変えるならぜんぶ変えるつもりで。
  • あきらめない。

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