2017年7月某日より一泊二日で泊まり込みの修行をしてきました。目的は今年度で仕事を辞めるのかどうかをはっきりさせることでした。
場所として選んだのは山梨県身延町にある「久遠道場」。自宅から比較的近かったのと、ぼくの希望した日程で受け入れ可能であったことが決め手でした。
今回はこちらでの一泊二日の修行体験についてレポートします。
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久遠道場はお寺じゃない!?
まずぼくも勘違いしていたのですが、久遠道場はお寺ではありません。普通の民家です。
日蓮宗の総本山である久遠寺のお膝元にありますが、
「フリーランス」のお坊さん
こちらに住んでおられるのは鈴木法拳さん。
フリーランスのお坊さんって何? と思われるでしょうが、

久遠道場は知り合いのお坊さんが所有し命名した道場ですが、ご厚意で法拳さんがお借りし活動の拠点とされています。
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2日間の修行メニュー

修行者の居室
修行の内容を時系列に沿って紹介します。これは今回ぼくが体験した内容であり、人や期間によって内容は変更される可能性があります。
なお時間はだいたいの目安と考えてください。
1日目
13時30分 日程説明と体質診断
体質診断ではアーユルベーダの考え方を用い、自分の体質を「火」
14時00分 ご廟所参拝と唱題修行

団扇太鼓。これを叩きながらお題目を唱える。
ご廟所とは日蓮上人のお墓のことです。こちらではお題目「
唱題修行はご廟所に向かって1時間、
姿勢は正座。
16時00分 夕方の勤行と瞑想
勤行はいわゆる「お勤め」というもので、朝と夕にあります。
瞑想はまず体をととのえ、呼吸をととのえ、
瞑想のあとにひとかけらの生姜に塩をつけて食べます。
17時30分 入浴
この間に法拳さんが夕食を用意してくださっています。
18時00分 夕食
菜食です。この日のメニューは発酵玄米のご飯(赤飯かと思うほどモチモチとしておいしい)、夏野菜の味噌汁(ごま油で具材を炒めてありうまみが強い)、高野豆腐の唐揚げ(まるでお肉)、
出されたものはたくあん以外すべて食べます。
すべての食器はお茶を入れてたくあんで内側をきれいにしていきま
食事中、
19時30分 法話と瞑想
これは人によってだいぶ内容が変わると思われます。
法話(というより雑談)のあと、
これで1日目は終了となります。
2日目
4時 起床
4時30分 総本山久遠寺へ出発
日本三大三門のひとつといわれる久遠寺の三門を通り、朝の石段を上ります。きついです。
ちなみに日本三大三門の他のふたつは、京都の知恩院と南禅寺にあります。
「南無妙法蓮華経」
5時30分 久遠寺朝勤行に参列
久遠寺本堂にて朝勤行に参列します。
大太鼓が打ち鳴らされるとお坊さんが何十人も本堂に入ってこられ
余談。
年末年始などの繁忙期はともかく、
7時00分 ヨーガ、オイルマッサージ、瞑想
朝勤行が終わったら、ご廟所参拝を経て道場へ帰ります。
ヨーガでは無理なことはしません。
オイルマッサージは白ごま油を使用。これを主に「頭頂」「耳」「
白ごま油はふつうに売っているものですが、
塗ったあと発汗するのが理想だそうですが、暑さで発汗するのでシャワーで洗い流して終わりました。
8時00分 作務(掃除)
自分の使ったお風呂場、トイレ、居室を掃除。
8時30分 朝食
- 玄米小豆粥
- 豆腐と揚げのみそ汁
- きゅうりと付け合わせの味噌
- たくあん、梅干し
これも残さずきれいに食べます。最後はお茶とたくあんできれいにします。
前の晩の食事もそうですが、みそ汁がうちで食べているものとは比べ物にならないほどおいしかったです。同じみそ汁なのにどうしてこうも違うのか・・・。
9時30分 写経
「欲令衆」という経文があらかじめ薄く印刷されているので、これを筆ペンでなぞります。
10時30分 奥の院(思親閣)登詣出発

思親閣からの眺め
先程朝勤行があった久遠寺本堂の裏手から登り始めます。
しかし、
そこを奥の院まで約2時間。
道中、道端に「◯丁」と書かれた石柱が立っています。
途中でお堂などがいくつかありそこで参拝していきます。
この日は途中長めの休憩を入れつつ、2時間程度で到着。
登詣は気候によってキツさがだいぶ違います。
13時00分 昼食と思親閣参拝
お昼は玄米のおにぎりとたくあん。
思親閣にはお守りなど売っているおみせがあるので、
1200mも上がると空気が冷たいです。
帰りはロープウェイを利用。わずか7分で下山。760円也。
14時00分 久遠道場着
これで修行は終了です。お布施をお渡しして帰ります。
久遠道場の修行の特徴
久遠道場の修行の特徴は以下の3点にまとめられます。
◇自宅でもできることをする
お寺の修行体験に参加すると普通は作法について厳しく指摘を受けます。
この理由について問うと「
たしかに「
◇生活から建て直す
久遠道場での修行生活は、体によいことを徹底的にします。
早寝早起き、瞑想、
法拳さんはあるとき、「
そう考えられたことが現在の「久遠道場」
◇打ち込むことで切り離す
久遠道場の修行では座禅はしません。瞑想はありますが、
久遠道場の場合、座禅のかわりになっていると思われるのが「
おなじことを延々繰り返すうち、
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久遠道場での修行Q&A
【Q1】どんな人が参加しますか?
いままで参加したのは、
男女を問わず、年齢、
小さな悩みなら人に聞いてもらったりすれば解消できそうですが、
なにか違うことをしなければ! と思ったときに「修行」
【Q2】1回の参加人数は何人くらいですか?
法拳さんによれば、たいがい1人、多くて2人。「
少人数ですから、できないことがあればそのように言えば対応していただけます。
【Q3】宗派が違うけれど大丈夫?
日蓮宗信者でなくても、あるいは仏教徒でなくても参加可能です。
【Q4】おすすめのシーズンはありますか?
暑い時期と寒い時期は避けた方がよいです。暑い時期には「
【Q5】持ち物は何がいりますか?
事前にいただいたメールの連絡では、着替え、タオルなどの洗面具、動きやすい服装と運動靴、一応レインコート等の雨具(天気が悪い予報だった)とありました。
「数珠もあれば持参ください、無くても結構です」とありましたが、たしかにそのとおりでした。なくても拝めますので無理に用意する必要はありません。
上記のものの他にあると便利だったものを挙げてみます。
①耳栓
身延川のせせらぎが気になって眠れないこともあります。
②リュック
奥の院への道は山道なので、
③防水かつ軽量の上着
奥の院への登詣では気象と気温の変化があり得ます。
【Q6】久遠道場へはどうやって行けばよいですか?
甲府からJR身延線富士行き普通電車で1時間半。840円。
特急ワイドビューふじかわだと約50分。1490円。身延駅下車。
普通電車の場合、
車で行かれる方は直接お問い合わせください。
【Q7】申し込みや質問はどうやってすればいいですか?
ホームページの「お問い合わせ」から可能です。
修行に参加しての感想
大人数の修行者を受け入れているお寺ではシステマチックである
その点、
修行に来られる人のほとんどは日蓮宗信者ではないでしょうから、
ですが幸い修行をする場所が総門の内側、
とにかくやっているとだんだん慣れてきます。案ずるより産むが易し、
ちなみに、入信を強く勧められることはありませんのでご心配なく。
こういうところに修行に来る人はなんらかの悩みを抱えていることでしょう。
僕の場合は1日目の夕食後、法話に当たる時間がそうでしたが、
たくさんの修行者がいるところでは和尚さんと話す機会すらないこ
もちろん自分の悩みをお坊さんであるとはいえ法拳さんに話しても
ぼく自身はいまの仕事を辞めること、
修行に来て考えがまとまったのではなく、
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まとめ
- 山梨県身延町にある久遠道場は日蓮宗僧侶が運営する修行体験道場。
- ほぼマンツーマンの少人数制であるため、個人に合わせた修行ができる。
- 「悩みのある人は生活が崩れている」という考えから、生活のリズムを立て直すことも目的としている。
- 集団で参加する修行と違って、お坊さんに直接自分の話を聞いてもらえる時間が豊富にある。
- 修行したいけれどあまり時間の取れない方にお勧め。