こんにちは。カトヒサ(@hisayosky)です。
ぼくは2018年3月に11年間勤めた病院と言語聴覚士を辞め、稼ぐ力ゼロの無職になりました。
あれから2年。
現在は大手企業グループでWebマーケティング担当をしています。
2年前にはWebマーケティングという言葉さえ知らなかったので、まったく予想外の展開です。
今回は、前職を辞めてからの2年を振り返ります。
- 会社を辞めるか悩んでいる
- 辞めたらどうなるのか、やっていけるのか知りたい
という方の参考になれば幸いです。
「こういうケースもあるんだな」というサンプルの一つとしてご覧いただければと思います。
ではいってみましょう。
退職した動機は100%ネガティブだった
ぼくの退職理由は後ろ向きなものばかりです。
- 職場の人間関係が修復不能に
- 職種と職場に対する不信感
- 稼ぐ力がないことへの危機感
特に人間関係での消耗が著しかったので、こんなことに時間を使ってちゃいけないなと考えていました。
とはいえ、当時のぼくは「自分には言語聴覚士しかできない」と思っており、辞めるのは相当勇気がいりました。
「やりたいことがある」といったポジティブな動機だったら、おそらく辞められなかったと思います。
ものすごくネガティブで「もう辞めるしかない」ところまで追い込まれたからこそ踏み切れた、というより踏み切ってしまったという感じでした。
慎重な性格だけにかなりエネルギーは費やしたものの、なんとか辞める決断ができました。
人間、重い腰が動くのは圧倒的に動機がネガティブな時ですよ。
退職したことを後悔していないか?
後悔はまったくしていませんし、したこともありません。
むしろ「よくやった自分」と思っています。
もしあの時辞めていなかったら、「辞めときゃよかった」と今も後悔していたでしょう。
しかも今は社会が新型コロナウイルスにより非常事態に陥っています。
こんな状況で無職からやり直そうと思えるほど、ぼくは楽観的ではありません。
結果としてベストタイミングの退職でした。
後悔といえば、11年も言語聴覚士を続けてしまったことが後悔です。
しかし、早く辞めたとしてもフリーでやっていけるほどの情報もインフラも揃っていなかったので、ここに時間をかけてしまったのは仕方ないことだったかもしれません。
長く勤めたおかげで1年は楽に持ちこたえられるくらいの退職金がもらえたりしたので、結果オーライです。
辞めてからの2年間でやってきたこと
最初の1年は稼ぐスキルを身につけるのに使いました。
「3ヶ月で新卒くらい稼げるようになりました!」ならカッコよかったですが、そうもいかず。
簡単な案件が受けられるようになるまで1年はかかりましたね。
1年で案件が受けられたのは以下のスキルです。
- プログラミング(コーディング)
- グラフィックデザイン
- Webデザイン
- Webライティング
退職時にはできなかったことばかりです。
「いろいろできるようになってすごい!」と思われるかもしれませんが、一点突破できなかった裏返しでもあります。
どれも安定して稼ぐレベルには至らず、「私はこれをやる人です」と胸を張れるものにはなりませんでした。
ただ、広く浅くスキルを集めた結果が現在やっているWebマーケティングにつながったので、これも結果オーライです。
2年目は月収10万円くらいをウロウロしつつも、そこから上に行ける気配が感じられないまま時間が過ぎていきました。
なんとなく2年を一区切りとして、フリーを続けるか会社で働いてみるか判断しようと思い始めたのはこの頃です。
とは言いながら「こんな40代を採用する会社なんてないんじゃないの?」という思いもあり、具体的には動いていませんでした。
そんな折、情報収集のために送ったTwitterのDMがきっかけで、電撃的にWebマーケティング担当として今の会社に採用となりました。
前職を辞めてから1年8ヶ月で会社員に復帰し、現在に至ります。
40代で退職してもなんとかなるか?
結果的には、何とかなってしまいました。
フリーランスとして十分な力を付けることはできませんでしたが、前職とはまったく違う職種で採用してもらえるくらいのスキルは身につけられました。
紆余曲折しながらも2年くらい行動すれば、無職から何かにはなれることは証明できたと考えています。
運がよかったのはもちろんありますが、自分が動いていなかったらつかめなかったものばかりです。
行動する力と最低でも1年はしのげる貯金があれば、なんとかなります。
辞めずに済むなら辞めないで
とはいえ軽い気持ちで会社を辞めるのはお勧めしません。
ぶっちゃけスキルもないのにフリーランサーをするのはめちゃくちゃ大変だからです。
- 思うようにスキルが伸びない
- 収入も伸びない
- 所属も肩書きもない
- 慣れないクライアントワークによるストレス
- 何もせず過ぎていく時間が恐怖
こんなプレッシャーが入れ替わりで襲ってきます。
クライアントワークは自分のスキルの低さもあり、前職とは比較にならないほどブラックな労働でした。
振り返ってみるとよく気が変にならなかったと思います。
1度だけアルバイトに応募したことがありましたが、まさかの不採用でした。
「もはやアルバイトさえ採用されないのか」とこのとき現実の厳しさを改めて知りました。
不採用の理由はわかりませんが、自分に対する社会的需要が乏しくなっていたのは事実です。
なので退職は「もう辞めるしかない」ところまで追い込まれたらにしましょう。
そこまで耐えれば「会社にいた時よりはマシ」と思うことで、辞めてからのネガティブを乗り越えていけます。
仕事には周りの納得も必要
ちょっと話はずれますが、仕事は「自称」ではダメなんだなと思うことがありました。
ぼく自身は「Web制作が仕事」と言ってましたが、家族をはじめとして周りの人からは「趣味で小金を稼いでぷらぷらしている」くらいに思われていた節があります。
「他人の目は関係ない」というのは簡単です。
しかし、周りの人に安心してもらうという意味では「自称」の仕事ではダメなんだなと思いました。
稼いでいれば問題ないかというとそうでもありません。
例えば専業アフィリエイターやFXトレーダーになっていたら、いくら稼いでいたとしても職業とは見てもらえなかったでしょう。
少なくともうちはそういう家です。
ぼくは事後報告で無職になってしまったので、この辺りは割と気にしていました。
会社を辞めるなら、できるだけ早く周りを安心させるのも大事です。
気になる収入の問題
前職を辞めて2年後の現在、給与収入としては前職より少ないです。
が、前職は勤続11年でしたから、単純に金額だけで比較はできません。
現職は残業なしで副業OKなど働きやすさは前職の比ではありませんので、総合的に見て現在の方がよくなっています。
副業でもフリーランス時代くらいの収入は確保できていますから、これも合わせると前職と同等くらいの収入です。
2年かけてやっと追いついてきましたね。
しかも今は昇給に頼らずに収入を増やす力があるので、前職を完全に上回るのは時間の問題でしょう。
その意味でも「あの時辞めてよかった」と本当に思います。

仕事辞めたいけれど、何をしたらいいかわからない人へ
かつてのぼくもそうでしたが、仕事を辞めたいけれどその後何をしたらいいかわからないと悩んでいる人は多いです。
そんな人は「やってみようかな」と思ったことを一つずつやってみてください。
遠回りに見えて、これが意外と近道です。
ぼくの2年間を見ればわかりますが、入口と出口は全然違います。
プログラミングをやるぞ!と決めたからと言って、エンジニアになるとは限りません。
だから入口はそんなに選ばなくていい。入れそうなところに入ってOK。
最悪なのは、どれにしようか迷って何もせずに時間だけが過ぎていくこと。
とにかく飛び込んでしまえば、紆余曲折はあるけれど必ずどこかにたどり着きます。
無職からの職業選びは当たり外れではありません。
一歩目を踏み出したら、あとは少しずつ最適な方に進路を修正していくイメージです。
当たりクジを引こうとすると、一歩も動けませんよ。
